【完】春紫苑




「ごめん、美琴……。だから泣くなよ」






震えた将光の手が、弱々しく私を抱き締め返した。


ごめんね、将光。


将光の方が泣きたいはずなのに。





ごめんね、将光。

弱くて、ごめん、ごめんね。










「母さん……大丈夫だよな?」


「当たり前でしょ?私のお祖父様の病院よ、任せなさい」


「……だな」






手術室の前、二人で椅子に腰かけて


"手術中"


赤く光るランプが消えるのを、ただ待ち続けた。