【完】春紫苑




私は将光を抱き締めた。





「こんなに震えてるのに強がらないでよ、バカ。お願いだから、私の前では強がらないで……」




私、彼女でしょ?

今日くらい、弱いところ見せてよ…。






「お願いだから将光。私を頼ってよ……」





私じゃ頼りないことくらい分かってるよ。


だって私のこと「さすが超お嬢様。世間知らずだな」ってよく言ってたもんね。


自分も変わらないくらいの、お坊ちゃまのくせに。




ねぇ、将光。


世間知らずは、お嬢様は、大切な人を支えられないんですか?


守れないんですか?


救ってあげられないんですか?






私の頬を涙が伝う。