私は将光を抱き締めた。
「こんなに震えてるのに強がらないでよ、バカ。お願いだから、私の前では強がらないで……」
私、彼女でしょ?
今日くらい、弱いところ見せてよ…。
「お願いだから将光。私を頼ってよ……」
私じゃ頼りないことくらい分かってるよ。
だって私のこと「さすが超お嬢様。世間知らずだな」ってよく言ってたもんね。
自分も変わらないくらいの、お坊ちゃまのくせに。
ねぇ、将光。
世間知らずは、お嬢様は、大切な人を支えられないんですか?
守れないんですか?
救ってあげられないんですか?
私の頬を涙が伝う。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.794/img/book/genre1.png)