【完】春紫苑





私はお父様の部屋へと走った。


受け入れられない現実に震える足で。


何もない、だだっ広い廊下で何度つまずいたか。


それでもやっとの思いで部屋の前へとつき、ドアを叩こうとしたとき





「大丈夫だ、既に手は打ってある。君は何も気にしなくて良いんだ」





電話中……?


中からお父様の話し声が聞こえてきた。


私は躊躇っていた。


仕事関係だったら、今はやめた方が良いよね……?


手は打ってあるとか言ってるから、可能性は高い。


どうしよう……。





「あぁ、お嬢様!お車の準備が出来ました!」


「あ、はい」





お手伝いさんが伝えてくれるよね?


それより、私は早く将光のところに行かなきゃ……。