【完】春紫苑




「左腕……もう大丈夫なのか?」






流が私を連れてきたのはやっぱり屋上。





「うん……まあ」



「将ちゃんのやつ、思いっきり左腕掴みやがって……」





今日の流は何だか怖い。



話し方にも表情にも、いつもの可愛さが一切現れない。







「仕方がないじゃん、将光には腕のこと話してないんだし」



「将ちゃんは、知ってるよ」