【完】春紫苑






「将光……」





一筋の涙が頬を伝う。





「将光……」






何やってんだろ、私。



城野さんが来てから、帰ってきたら毎日この調子。



泣いてばっかり。


将光の名前を呼びながら泣き続ける。



私ってこんなに弱かったっけ?





四年前のあの日。

私は強くなるって決めたのに。



世界中の全てのものから私が将光を守るって決めたのに。





決めた……


決めたはずなのに。