しょうもない、プライド。
私から見たら何の価値もない、ゴミのようなプライド。
「でも、安心して。お母様はお前とは違って、一人の男に夢中だから」
お前みたいに何人もいない。
お母様はお前とは違って、一途だから。
そんなお母さんからさえも一途に思ってもらえないお前が可哀想だよ。
「あまり、調子に乗るなよ美琴。好き勝手出来るのも高校生の間までだからな」
とことんズルいやつだ。
都合が悪くなるといつもこの話を持ち出す。
脅してるつもりなのだろうか?
家のことを出せば私が大人しくなるとでも思ってるのだろうか?
「自分はお爺様が病院を継げって言ったのを無視して企業立ち上げたくせに、私には言う通りにしろって?
ふざけんなよ……。
私はお前のオモチャなんかじゃない!」
そう叫んで私は部屋を飛び出した。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre1.png)