私が最も聞きたくない言葉が聞こえた。 旦那様ー……。 「あの人、帰ってきてるの?」 「えぇ……。お嬢様が帰ってきたらすぐ旦那様のお部屋へお連れするように申しておりました」 何の話か大体検討はつく。 「あー、もう。勝手に行くからお仕事の続きをしてて良いですよ」 仕方ない。 ……戦ってきますか。 「──お父様、私です。美琴です」