「……まぁ。もう良い。」 「ぐぁ!」 お腹を蹴り上げるとのたうち回る。皇女さまがこの商人に執着する理由は誰も知らない。 「連れて行け。」 「はっ!」 「……そこの愚民もだ。」 先程止めに入った兵士を目で示す。その言葉にこの場に居合わせた者達は顔を青白くする。 その兵士はビクッと肩を揺らした。 「皇女様っ、わ、私は何も、」 抗議する兵士に皇女様は目を鋭く細めた。