――ヴァンパイア。 つまりは、吸血鬼。 美しく、どこかはかなくて。 怖いくらいに、妖艶。 そんな外見を噂されながらも、人の世界で“共存”しているヴァンパイア。 古い洋書に記されてるみたいに、火も水も十字架も苦手じゃない。 人の血ばかりを求めて生きているわけでもない。 現代のヴァンパイアは、かなり人間に近づいてる。 この世界に溶け込むために。 ――だけど。 時には、人間の首筋に牙を立てる。 それを忘れちゃダメ。 自分が凶器にもなりえる事を、忘れちゃダメ。 ……絶対に。