「ルイ・アルベルト…」
聞いたことのない名前だが、彼の身なりからしてそれなりの地位の家柄であることはわかる。
しかし、
「で、でも…この前も言ったけど、今さら婚約破棄だなんてできるわけないわ。相手は一応ユナハ国の王様なのよ?」
そう、シルヴィは腐っても王様。
1貴族が太刀打ちできる相手ではないのだ。
「だから、気持ちは嬉しいけど…あなたに迷惑をかけるわけには…」
「いかないでしょう?」そう言葉を続けようとした時ルイは、ニヤリとほくそ笑む。
「それは、大丈夫。俺にまかせな?」
一体、どこからそんな自信が湧いてくるんだろうか。