レインが去った後。
「…この前も言ったけど、カローナ、俺の嫁になってくれないか…?」
ルイは、片膝をついて手を差し出してきた。
本当に迎えに来てくれたんだ…と、嬉しい反面。
「…ルイ、そんな風に言ってくれるの嬉しいよ。でも正直…私、まだ全然ルイのこと知らないし、本名だって、年齢だって…」
そう、カローナはルイについて何も知らなかった。
カローナ自身としては、嬉しい申し出。しかし、サーフィア国の姫としては、簡単に受け入れていい話ではないことは十分理解していた。
そんな彼女にとって、素性もしらない男性の妻になることはできない。
「…名乗るのが遅れて悪い。本名は、ルイ・アルベルト。歳は、18歳」



