それにしても見たことない人だわ。
サーフィア国の貴族じゃさそうだし、ユナハ国の方かしら…?
こんな顔立ちの男性、一度見たら覚えていそうだし恐らく初対面だ。
…まぁ、彼も少し疲れて休んでいたのかしらね?
もう少ししたら先に出ていくでしょう。
最初そう思っていたカローナだったがなぜか、その黒髪の青年は一向にバルコニーを離れようとせず、ただ、カローナの隣に立ち続けている。
「…えっと、もしかして心配して付き添ってくださってるのかしら?もしそうでしたら、大丈夫ですから、私のことはお気になさらず、パーティーを楽しんでください」
「いえ、私も少し休みたいだけです。もう少ししたら会場に戻りますので、お気になさらず」
私がそう言っても、素敵な笑みを浮かべそう言うだけ。
まぁ…無理に戻ってもらうのもちょっとあれよね?
どのくらいそうしていただろうか。
「そういえば…貴女は今日の主役のカローナ姫ですよね?」
「…そうですけど…それが何か?」



