「え、えぇ…。さっきよりはだいぶ。でも、まだあまり気分がよくなくて…せっかくシルヴィ様がいらしてくださってるのに、申し訳ありません」
リリスの面子もあるし、なるべく感情を込めて、申し訳無さそうな演技をするカローナ。
「…ふふっ。そんなこと全然、思ってないくせに」
しかし、ルイは面白そうにそんなことを呟いていた。
他人事だと思って…。
カローナは、そんなルイをジロリと睨み付けてやる。
…少し静かにして!
口パクでルイに告げると、ルイはつまらなさそうにカローナのベッドに飛び乗った。
「そうですか。いえ、お気になさらず。結婚したら毎日会えますしな。いや〜姫との結婚生活楽しみですよ」
「…そ、そうですね」
カローナは、ギュッと手を握りしめる。
そうしないと、シルヴィに向かって嫌味の一つでもぶつけそうになったからだ。



