とりあえず、他の話題を出さなくてはと、カローナは意を決して言葉を紡ぐ。


「ねぇ、ルイは何で猫になっちゃったの?何かわけがあるんでしょ…?」


ここ数十年で、魔女や魔法使いもだんだん減ってきていたこの時代。

そのため、魔法なんて見たことがないカローナは若干の好奇心も重なり、ルイにそう尋ねる。

「…まぁ、強いて言うなら、オレのじいちゃんのせいだな…くそ、あのじじい。まだまだ元気なくせにボケたふりばっかりしやがって…」

ルイは、軽く舌打ちをして嫌そうに顔を歪めた。

…ルイのおじいちゃんのせいで…猫の姿に?一体何があったのかしら?

「それって…」

再度、カローナが質問を重ねようとした


その時だった。


――…コンコン。


カローナの部屋のドアを誰かが叩く音が聞こえてきたのは――。