「あなたじゃない…俺には、ルイって言う立派な名前がある」


…!!


そう言うと、黒猫…いや、ルイはかろやかに私の目の前におり立った。


綺麗な漆黒の瞳がキラリと光る。

その瞳を見ると思わず吸い込まれそうになってしまうほど。


…喋る猫なんて、はじめてみたわ…。


「…ルイ…?あなたは何者なの…?」


カローナは、パチパチと目をしばたたかせながら質問を重ねた。


すると、ルイは少し困ったように。


「人間って言いたいところだけど……この姿じゃ、説得力ないしな」


悲しそうな声色で呟く。


「ルイは…人間なの?」