「あら可愛い猫ちゃんね。あなたは、どこから来たの?」
そう言って、カローナは優しく猫の頭を撫でた。
もともと、動物が大好きなカローナ。
小さい頃は、実際に猫を飼っていた経験もある。
その頃を思い出し、ツヤツヤの毛並みを堪能していると。
「…あのさ…。猫扱いすんのやめてくんない?」
少し照れたような声がカローナの胸元から響いた。
…え?
一瞬、驚いてカローナは身体を硬直させる。
それは先ほどまで、彼女が話していた男性と同じ声で…。
ま、まさか…さっきの声って…。
カローナは、目を見開いて胸元に抱きかかえた猫をマジマジと見つめた。
「…あ、あなたが喋ってるの?」
小さい声で猫に向かってそう問いかける。



