パッと扉の方向に視線をやると「どちら様…?」カローナは扉の向こうの人物に向かって問いかけた。

「カローナ、俺だ…入っていいか?」

聞こえてきたのはルイの声。

「ルイ?えぇ…ちょっと待ってね」

そう言って、部屋に入ることを承諾したカローナは扉の方向に向かって歩き出す。

パタパタと駆け寄った彼女が部屋の扉を開くと、人間の姿のルイが立っていた。

「どうしたの?こんなに遅くに…」

「…いや、今日のパーティーでのことだけど…ユージスがしたこと…」

ジッとカローナを見つめる漆黒の瞳が心配そうに揺れている。

どうやら、パーティーでのキスを心配してきてくれたらしい。

「えぇ、大丈夫よ。気にしてないわ。あの人…悪ふざけが好きみたいね」

呆れたような口調でカローナはサラリと言ってのける。