**********


「…うーん。どうしましょう」


カローナは自分の部屋のベランダでぼんやりと考え込んではため息をこぼす。


現在の時刻は23時。

ユージスに指定された時間まで残り1時間になろうとしていた。

あの後、パーティーはなんとか予定通りに終了していた。

ユージスが去ってしばらくは地獄のような雰囲気が漂っていたが、しばらくすると楽しそうな笑い声も聞こえてきてカローナ自身がホッとしたのを思い出す。

彼女も他の貴族令嬢と話をする機会もあり、楽しくパーティーを終えることができた。

ただ、御令嬢たちが何か聞きたそうな視線は感じでいたのだけれど…。


参列していた貴族たちは、なにもなかったかのように振る舞ってはいたがきっと心中、穏やかではなかっただろう。