「愛希さん、整理終わりました…」

私は、部屋から出てリビングに向かった。

「スースー……」

愛希さん…机で寝てるし。……起こさないで、そっとしておこう……。私は、愛希さんの隣に座る。

「……………」

本当に、顔のパーツ整ってるな……。こんなに、整ってる顔の人、今日初めて見た。

「んっ……ぅ……」

「……………」

「……何してんの?」

私が、愛希さんの顔をずっと覗き込んでると、後ろから叶君に声を掛けられた。

「ぅわっ!……ビックリした……」

「何で、黛城さんの顔覗き込んでるの?……何?好きなの?」

「なっ……!……ちっ、違っ!!」

「ふん。どうだか……。ちょっと、黛城さん、起きてよ」

叶君が、愛希さんの体を優しく揺する。愛希さんは、ゆっくり体を起こす。

「んぁ……。おはよう……」

「もう、4時過ぎてます」

愛希さんは、机から飛び跳ねた。

「ぇぇえ!!俺、そんなに寝てたの?!」

「はい…。寝てましたよ。…黛城さん、僕お風呂に入りたい……。僕、いつ入れば良いの?」

「ぇっと、今日はねぇ…。優花ちゃんが、1。玲好が2。叶が3。玲愛が4。愁太が5。で、俺が最後」

「分かった。…優花、早くお風呂入って」

「ぇ、あっ、うん……」

急に名前を呼ばれ、私はビックリする。
……名前、覚えられてる……。

「ゆっくりで、大丈夫だからねぇ、……。じゃあ、俺、少し休んでく…」

「今日の晩ご飯の担当、黛城さんだけど?」

「えぇえ……。俺、今日眠いよ……」

「はぁ、じゃあ手伝だってあげるから……」

「本当?ありがとう。叶」

「別に…」

叶君は、頬を掻いた。……照れてるのかな?

「じゃあ、優花ちゃん、お風呂入ってきて?その間に、俺達が晩ご飯作ってるから」

「分かりました…」

「早く入った方が良いよ。…玲好、待つの苦手だから。話も、聞かないし。順番待たないで、お風呂に入ってくる可能性高いから」

叶君が、腕を腰に当てて私に伝えてくれた。

「おっ、教えてくれて、ありがとうございます……」

「別に…。覗かれたくないなら早く入りな」

「あっ、はぃ……」

私は、軽く頭を下げて部屋に戻る。

「玲好君って、一体どんな人何だろ?」

愛希さんは、玲好君の事をフレンドリーで良い子って言ってたけど。

叶君は、待つの苦手で。話聞かないしって、悪い所ばかり言ってた……。

……2人の言ってる事は、どっちが本当なのか分からない。そもそも、玲好君にあたる人に会ったこと無いし……。

「まぁ、今日分かるよね……」

私は、適当に結論(?)を出して部屋から出て、リビングに向かう。

「ぁの、愛希さん…お風呂場って…」

「うんとね、玄関の近くにトイレあるよね?……トイレの横の右を曲がった所に、あるよ。…寒いかも、しれないから風邪引かないように、気を付けてね?」

「ありがとうございます…」

私は、愛希さんにお礼を言ってトイレの横の右を曲がって、お風呂場に入る。

「ひっ、広!?」

お風呂場に入って、私はまた、ビックリする。
こんなに、広いお風呂場見たこと無い……。

「凄いな…。ルームシェアって…」

私は着ている物を全部脱ぐ。お風呂場の中に入って、またまたビックリ。

「中も広い……」

私は、感嘆をもらしながら、シャワーのお湯を出す。お湯も、完璧だとっ?!

「凄い…。凄すぎる…」

私は、今日1日の事を見直しながら頭と体を洗って湯煎に入る。

「ふぅ……」

チャポンッと湯煎に、ゆっくり入る。
湯煎も、完璧だ……。一体、どんな事をすれば、こんなに完璧に気持ちいい、お風呂に入ることが出来るんだろう?

「気持ちいい……」

私が、お湯を両手で掬って垂らしてると、お風呂場の扉が、ガチャと開いた。扉の方を、見ると。

赤い髪の毛が、印象的な男の子が腰にタオルを巻いて立っていた。ちょっと黒い肌は、元気な事を表してる。スポーツが上手何だろうなと、一瞬で何故か冷静に頭の中で考えた。