「愁太が、夜に僕の事襲うとか言うんだ!このクソ男!!」

叶君が、愁太さんに指差して怒鳴った。

「はぁ……。俺達が綱引きで、頑張ってたのに。喧嘩してるとか……」

玲愛君が、溜め息を吐いて頭に縛っているハチマキをシュルッと解いた。

「玲愛君、赤組何位だったの?」

「一位」

玲愛君は、サラリと言った。

「へっ?!一位?!凄いね!!おめでとう!玲愛君!」

「俺一人で、勝ったわけじゃないから」

「でも、凄いね…!」

「ぇっと…。まぁ…、そうだね…」

「何で顔赤くなってるの?玲愛…」

叶君が、疑いの目で玲愛君を見ていた。

「……べっ…つに…。別に…赤くないし…。ていうか、お腹空いた。早く昼ご飯食べようよ」

「そうだね。…じゃあ、お弁当食べよっか。あっ、お弁当食べるところあっちだよ。着いてきて」

愛希さんが、ニコニコ笑って歩いて行った。私達は、愛希さんの後ろに着いていく。

愛希さんは青いシートの所で止まった。ちゃんと、皆が座れるスペースがある。青いシートの上には、大きな大きなお弁当箱があった。

「うわぁ…。大きいお弁当箱…。こんなに、食べれるかな?」

「食べれるよ。玲好、凄い食べるから」

愛希さんは、靴を脱いで青いシートの所に座って、お弁当箱のふたを開けた。そこには、凄い美味しそうな数々のオカズが……。

私と、玲好君はテンションが上がった。

「「美味しそー!!」」

玲好君は目を輝かせて。靴を、荒々しく脱ぐと、お弁当箱のオカズに目が釘付けだった。

「早く!早く!食べよう!」

割り箸を、パキッと割って食べる気100%の玲好君。

「待って。食べるのは皆が座ってからだよ」

「うん!早く、座って!あっ、優花さん。俺の隣来て!」

「うん!……わっ……」

私が、玲好君の隣に行こうとしたら叶君に腕を引かれた。

「優花は、僕の隣」

叶君は、私を端っこに座らせて。その隣に叶君が座った。

「なっ…何で?俺が、最初に…誘ったんだけど…」

玲好君が、私の体操着をチョンとつまんだ。

「そんなの関係ないし…。何?僕と優花が仲良いからって妬いてるの?」

叶君の顔ら意地悪で。その意地悪な笑顔で玲好君に微笑みかけた。

…………?何を焼いてるんだろう?

「まぁ、どうでも良いけど」

「でも、俺が最初に…」

「はぁぁ…。玲好と叶の真ん中に優花ちゃんを座らせれば良いでしょ」

愛希さんが、長い溜め息を吐いて。私の両隣に玲好君と叶君を座らせた。

「ほら、もう食べていいよ」

「「いっただきまーす!」」

「「……いただきます」」

「「いただきます」」

私達は、好きな物に箸を伸ばして食べていく。

「ハンバーグ、ハンバーグ」

私は、ハンバーグを口に入れた。その瞬間、タレの絶妙な美味しさが口一杯に広がった。

「美味しい……」

「本当に、黛城さんは料理上手だね!」

「ありがとう。玲好」

「……………」

私の隣で、モグモグ無言で叶君がソーセージを食べていた。そういえば、叶君の好きな物ってソーセージだったね。

「叶がソーセージ食べてると、何かエロいね」

「…………。死ね」

叶君は、無表情で愁太さんに死ねと言っていた。……いつも通りで、何よりです……。