「そっ、そんなに強いんだ……」

「うん……」

「でも、トランプが弱くても玲好君は優しいから大丈夫だよ」

ふふっと、私は玲好君に微笑みかけた。玲好君は、耳まで顔を赤くして愛希さんの肩に顔を隠した。

「えっ?!ちょっ、玲好、何?!」

「ちょっと、俺の顔隠して下さい……。多分、今俺の顔キモイから……」

「はっ?」

愛希さんは、凄い困っていた。愁太さんは、ニヤニヤ笑っていた。叶君は、玲好君の事を凄い睨んでいた。

「玲好ー、顔見せろよー!ほら、お兄さんに見せなさい」

「ちょっと!ヤメて!愁太ヤメてって!俺、本当に今キモいんだって!」

愁太さんは、愛希さんの肩に抱きついている玲好君を引き剥がそうとしていた。玲好君は、愁太さんの腕を何度も。何度もどけながら愛希さんにキツく抱きついていた。

「ほーらー、見せなさい!」

「ヤメっ…!!うわっぁ……!!!」

愁太さんに、凄い力で引っ張られた玲好君は、バランスを崩して尻もちついた。

「ちょっ!見ないで!」

玲好君は、尻もちついても顔だけは腕で隠した。でも、まだ耳まで真っ赤だった。

「玲好君、大丈夫?…熱?耳まで真っ赤だよ?千メートル無理しない方が…」

「だっ、大丈夫…です…。千メートル出来ます」

「そう?だったら、良いけど……」

「優花ちゃん、鈍感ー」

愁太さんが、ニヤニヤしながら私の頬を突っついた。

「……にゃ、にゃんでしゅか?」

鈍感って、何が?私が?何に対して?
私は、愁太さんの言った事を理解出来なくて無言になる。

「……………」

「まぁ、玲好も叶も頑張りな。お兄さん応援してるねー」

「チッ……。女好きが……。ちょっと、黙ってて。耳腐るから」

「ふふっ……。男が、気持ちいい所を、調べておかないと……。今日は、よろしくね。叶」

「死ね!死ね!ルームシェアから出てけ!僕の周り半径一キロ位近付くな!」

叶君……。私の後ろで、ブルブル震えながら耳元で叫ばないで……。耳が痛いよ……。

「いやぁ、叶を襲うまで出てかないよ」

「ぼっ、僕なんかより!黛城さんの方が、良いじゃん!」

「えっ?えっ?えっ?何で、俺?!」

「いや、愛希はダメだよ。俺、下になっちゃうから」

「ちょっ!俺、男とシないからね?!」

愛希さんは、手を顔の前で左右に振った。

「それに、愛希さ優しそうな顔して。ベットの上だったら絶対に怖いよね。俺、想像出来るよ」

愁太さんは、手に顎を乗せて何かを考えてた。少しして愁太さんが急にぶっと噴いた。

「愛希のベットの相手が、優花ちゃんで、ちょっと噴いちゃっ…」

「死ね!消えろ!欲求不満男がっ!!!」

叶君は、いつの間にか私の後ろから前に移動していて。愁太さんを殴っていた。

私は、慌てて叶君の前に立つ。そして、叶君の腕を押さえた。

「いってぇ…。顔は、無いだろ…。何そんなにキレてんだよ。叶…」

「死ね!…消えちまえ!」

「……………。何が、あったの?」

叶君が、泣きそうな声で叫んでると。綱引きが、終わった玲愛君が困った表情で私達を見てた。