「ぁっ……。多分、俺のせい…です…」

玲好君が、恐る恐る手を低く挙げた。私が、ビックリしてると、玲好君が話し出す。

「ほら、昨日…さ。叶に、シャーペン借りたじゃん?で、返そうと思って叶に筆箱どこ?って、聞いたら部屋の中って言ったから。叶の部屋に行って…」

「で?優花の鞄に、何で入れたのか聞きたいんだけど?」

「ぇっと、それで。寝る前に、優花さんの部屋で、ゲームをする事になって…。 俺は、何を思ったのか、……。叶の筆箱を優花さんの部屋に持って行って……。……それで、優花さんの鞄の蓋が開いていたから……。そこにポイッって入れちゃいました……」

「……………」

叶君は、怖い顔で玲好君を上から睨み付ける。……玲好君は、椅子に座っているので、叶君より目線が凄い低い。

「かっ、叶君。玲好君は、正直に自分の罪を告げたんだし!許して、あげよう?ほら、機嫌直して!スマイル、スマイル!」

私は、椅子から立ち上がって叶君の口角を無理矢理上に上げる。

「ちょっ、俺、何か犯罪犯したみたいに、なっているんだけど?!」

「犯してるじゃん、有る意味。それに、僕が機嫌悪いのは、筆箱が原因じゃないから」

叶君は、私の手を優しく離した。その後、私の鞄から筆箱を取った。

「えっ?じゃあ、何で?」

私が、聞くと叶君は一瞬顔を赤くした後。

「……そのゲームって、いつもどっちかの部屋でさ。2人きりで。2人きりで。ゲームしてるの?密室で?男女で?ベットがあるお部屋で?年頃の2人が?何も、ヤらしい事一つも無しで?」

「ちょっ、ちょっ。叶、何想像してるのさ!おっ、俺と優花さんは、叶が想像してるような事してないから!普通に、ゲームしてるだけだから!」

玲好君は、顔を叶君より真っ赤にして。叶君の、お腹を軽く殴ってた。

「本当に?優花は、凄い薄着なのに?キャミソールと、ショートパンツで?年頃の男の子だったら普通襲ってますよね?玲好先輩?それか、襲いたくて仕方有りませんよね?」

叶君は、真顔で。黒い黒いオーラを出しながら。玲好君のパンチを片手で止めた。

「ちょっと!叶!もう、誤解を招くような変な事言わないでよ!」

「僕は、純粋に思った事を口に出してるだけだよ。僕なら、襲ってるけどね?僕でさえ、襲うんだから、玲好先輩も襲いますよね?襲いますよね?!?!」

「かっ、叶君!叶君、落ち着いて!どうしたの?急に…」

私は、熱くなった叶君を宥めた。叶君は、何故か肩で呼吸をして、目に涙を溜めていた。

「どうしたの、じゃないよ。…優花、いい加減気付いてよ。……鈍感過ぎて嫌になる」

「なっ、何に?気付いてよって、何に?」

「はぁ……。もう、良いよ。玲好に襲われても知らないから。馬鹿優花」

叶君は、それだけを言い残して二年生ゾーンから消えていった。

私と、玲好君の間に微妙な空気が流れる。