するとバチッと目が合った。



お互い恥ずかしくなってわずか数秒で目をそらした。



そのわずかな数秒でも俺には長く感じた。



まるで時間が止まったかのように―……。



これが幸せなんだ―……。



もう一度見ると、想いが通じたのか彼女も俺を見た。



俺たちだけが通じ合っているみたいだった―……。



「あっ、時間ならいくらでも潰せると思いますよ。ねっ、宙先輩?」



斯波が俺に笑いかける。


その声でハッと我に帰った。



『……あ?』