それからさらに二日ほど、そのままの状態が続いた。
空腹に耐えかね、目の前の芋に齧り付いてみたが、生の芋など弱った胃で食えるものではない。
すっかり衰弱した深成は、ただ真砂の家の隅で、ぼろ切れのように転がっていた。
そんなある日。
真砂は深成を担いで家を出た。
拘束していた縄は切ったが、手首に巻き付いたままだ。
真砂の肩の上で、深成はぴくりとも動かない。
里から少し離れたところを流れる川まで来ると、真砂は無造作に、担いでいた深成を、水へ投げ込んだ。
そして自分の帯を解くと、着物を脱いで、同じように飛び込む。
この辺りは、流れは穏やかだ。
少し先まで泳ぎ、真砂は河原の岩に上がった。
意識も怪しいまま、水に放り込まれた深成は、浮きつ沈みつしながら、ゆっくりと近づいてくる。
真砂の傍で、ぶくっと沈んだ深成が、いきなり激しく動いた。
必死で水を掻き、がばっと顔を上げる。
「うっ……がぼっ」
水に入れられたことで覚醒したのだろうが、弱り切った身体だ。
弱々しく水を掻きながら、溺れている。
真砂は、にやりと口角を上げた。
そして立ち上がると、もう一度水に飛び込んで、少し先まで泳いでいった。
空腹に耐えかね、目の前の芋に齧り付いてみたが、生の芋など弱った胃で食えるものではない。
すっかり衰弱した深成は、ただ真砂の家の隅で、ぼろ切れのように転がっていた。
そんなある日。
真砂は深成を担いで家を出た。
拘束していた縄は切ったが、手首に巻き付いたままだ。
真砂の肩の上で、深成はぴくりとも動かない。
里から少し離れたところを流れる川まで来ると、真砂は無造作に、担いでいた深成を、水へ投げ込んだ。
そして自分の帯を解くと、着物を脱いで、同じように飛び込む。
この辺りは、流れは穏やかだ。
少し先まで泳ぎ、真砂は河原の岩に上がった。
意識も怪しいまま、水に放り込まれた深成は、浮きつ沈みつしながら、ゆっくりと近づいてくる。
真砂の傍で、ぶくっと沈んだ深成が、いきなり激しく動いた。
必死で水を掻き、がばっと顔を上げる。
「うっ……がぼっ」
水に入れられたことで覚醒したのだろうが、弱り切った身体だ。
弱々しく水を掻きながら、溺れている。
真砂は、にやりと口角を上げた。
そして立ち上がると、もう一度水に飛び込んで、少し先まで泳いでいった。