「そんで、どこに行くの?」
戸を押し開けながら言う深成に、真砂が口を開きかけた。
その目が鋭くなる。
「待て」
小さく言い、繋いだ手を引く。
深成は簡単に、真砂に引き寄せられた。
開いた戸から、暗くなりつつある外を睨む。
最も近い林の中に、僅かに垂れた縄。
微かに見えるあの縄は、里の周りに巡らされた、侵入者防止の罠だ。
それが、斬られている。
「真砂っ」
深成が、林の中の一点を指差した。
細く煙が上がっている。
「火薬の臭いがする。真砂、あっちのほうも、きっとヤバい」
何が起こっているのか、何となくでも理解したのだろう、深成が鼻をひくつかせ、反対側の一点を指差した。
「早いな……。もう攻めてきたのか。何かのついでじゃないな。端からここを狙って来たんだろう」
里の者は、まだ移動を開始したところだ。
それに乱破とはいえ、家族のあるものや老人などもいる。
さっさと動ける者ばかりでもないのだ。
戸を押し開けながら言う深成に、真砂が口を開きかけた。
その目が鋭くなる。
「待て」
小さく言い、繋いだ手を引く。
深成は簡単に、真砂に引き寄せられた。
開いた戸から、暗くなりつつある外を睨む。
最も近い林の中に、僅かに垂れた縄。
微かに見えるあの縄は、里の周りに巡らされた、侵入者防止の罠だ。
それが、斬られている。
「真砂っ」
深成が、林の中の一点を指差した。
細く煙が上がっている。
「火薬の臭いがする。真砂、あっちのほうも、きっとヤバい」
何が起こっているのか、何となくでも理解したのだろう、深成が鼻をひくつかせ、反対側の一点を指差した。
「早いな……。もう攻めてきたのか。何かのついでじゃないな。端からここを狙って来たんだろう」
里の者は、まだ移動を開始したところだ。
それに乱破とはいえ、家族のあるものや老人などもいる。
さっさと動ける者ばかりでもないのだ。