暗く深い森を歩いている気分になる。


そこは、太陽の日さえ当たらず暗くじめじめしている。


僕は、その中をさまようのだ。


いつ、明るい光が当たるかは見当さえつかず、あるいは、一生日なんて当たらないのかも知れないと思ってしまう。


樹に、つまずくと樹に絡んだ蔦が、動き出し僕を絡めとってしまうのではと錯覚する。

絡めとられても良いかと開き直れず僕は怯える。


胃の中は、まるで強い酒を飲んだ時のように熱い物で焼ける。

僕は、妙な汗をかきながら森の中をよろよろ進むのだ。

止まって座りこみたいが、座ってしまうと蔦や蜘蛛の巣に絡めとられて一生動けないのではと思うのでやっとのことで、よろよろ進むのだ。

過去に何度も経験していてもこの恐怖は慣れない。

恐怖と言う言葉では表せない。

いっそ、死んでしまう方が楽なのではと思ってしまう。