「蕾は始まり。少しずつ膨らんでって…満開に咲いて…最後は散る。」 「…うん」 「恋も桜も同じくらい呆気ないものです」 「…めぐ?」 めぐの目に涙が溜まってる。 …拭いたい、抱き締めてやりたい。 それなのに体が動かない。 「…先輩。」 「ん?」 震えてる声。 「次来るときは…」 「……」 俯いてた顔をあげて、 めぐはニコッと笑って。 「あたしの事なんか探さないで」 「……え」