「明里、言え」

「…どうしても、めぐちゃんじゃなきゃだめ?」

「…明里。」




どうしても?…どうしても。

どうしても俺は、めぐじゃなきゃダメみたいだ。





「あぁ。…ごめんな、明里。」

「謝んないでよっ!!」

「…明里。」

「どうして!?やっぱり高校が離れたせい!?」

「……」

「気持ちも離れるものなのっ!?あたしは波留しか見てなかったのに」

「…ごめん」

「なんでよっ…あたしがタイプって言ったじゃん!キスしたじゃん!」

「……」

「変わらないよって…だから大丈夫だと思って高校離れたのにっ」

「……」





何を言われても、俺のせいだ。

きっと、めぐと出会わなければ俺には一生明里しか見れなかった。

…でもめぐと出会った。

これは“偶然”じゃなくて、“運命”なんだ。





「ねぇ波留の言葉はうそばかりなの!?」

「いい加減、やめろ」

「…なんであたしがっ」

「波留を責めたってお前に気持ちが戻ってくる訳じゃねぇ!」

「…うるさいっ!」

「波留とめっちゃんは出会う運命だったんだ」

「じゃあ…あたしと波留は運命じゃなかったの?偶然?」

「……」

「あたしが波留を好きになったのも!?付き合うのも!?」

「…それは、違う。」

「…今さらなによ」




ここまで明里を変えてしまったのも、俺。