「先輩おはようございます♪」
「お、めぐ元気なったのか」
「はい♪」
あれから先輩とはまた仲良くしてもらってる。
会うたびにまた“好き”って気持ちが増えてくる。
「めぐ、今日は一緒に帰る日だからな」
「…明里さんは?」
「ん?…今日はめぐと帰る日だから」
「でも…」
「めっちゃん♪」
「硫さんっ」
「硫てめぇ、なに気安くめぐに話しかけてんだよ」
「んー?だって波留のじゃないでしょ?」
「硫ー?」
「めっちゃん♪今日は俺と帰ろ?♪」
「う、でもぉ」
「なに波留と帰りたい?波留より俺のが良くない?」
最近仲良くなった、先輩の親友の硫先輩。
イケメン…ですっ
「芽魅?」
「慧っ」
「ん?君、澄田慧?」
「そうですけど」
「ふーん。めっちゃんになんか用?」
「通りかかっただけだけど」
「…じゃもう行って良くない?」
「芽魅困ってるんで無理です」
「へぇー?」
「…あのっ、あたし今日は先輩と帰りますっ」
「////」
あたしは、先輩の袖を掴んで引っ張った。
…なんか、怖いよ。
「めぐ、今のうち屋上行かね?」
「…うんっ」
…あたしはどうしても先輩を好きになってしまう。
なんでこんなにも先輩を好きなんだろう。
初恋だから?
――ううん、違う。
初恋じゃなくたって、
あたしは先輩にきっと恋焦がれてる。

