「俺のタイプが変わったって言ったら?」
『…ありえないから。』
「明里」
『あたしは波留に何を言われたって波留を離さない!』
「…それでお前は幸せなのかよ?」
自分に気持ちのないやつと付き合ってお前になんになる?
メリットはあるのか?
…ないだろ。
『あたしは、波留さえ居れば幸せなのっ』
「…そ」
低く冷たい声が出た。
俺でもびっくりした。
『めぐちゃんに波留は渡さない!!』
「……なんだよ」
一方的に電話を切った明里。
…明らかに明里は怒ってる。
だけどそれと同じように、
悲しんで苦しんでる。
「んっ…」
「めぐ、もう3時限目だけど」
「うそ!」
「ま、お前は強制的に俺が家まで送って帰る」
…めぐを他の誰にも渡してなんかやらねぇ。
だからめぐ。
お前も誰のものにもなるなよ?

