―キーンコーンカーンコーン…
「…お昼休み、か」
「めぐどこ行くの?」
「屋上でサボる」
「はいはーい」
モヤモヤして嫌な感じ。
消化不良は気にくわない。
――ガチャ…
「…着いちゃった」
春の冷たい風があたしの頬を掠める。
…桜もだいぶ散っちゃった。
「儚いよ…」
「何が?」
「…っ先輩!?」
「お久しぶり〜めぐ」
あたしの大好きな笑顔を向けてくれる先輩。
…本当に、タイミングがいいって言うのか…。
「なんで1人ー?」
「サボりに来たんです」
「またー?入学式もサボったくせに」
「…入学式」
「ん?」
懐かしいって思った。
まだ最近過ぎるはずなのに。
…入学式で先輩に出会って恋に落ちた。
あたしの初恋だった。
「めぐ?」
「先輩ちゃんと明里さん送りました?」
「もちろん♪めぐが言ったしな」
…ほら、また。
期待させるような事を言う。
苦しいのに…でも先輩と一緒にいたいと思ってる自分が居るの。
でもこれじゃあダメなんだ。
「先輩、明里さん不安になってると思いますよ」
「不安?」
「あたしとこうして話しているから」
「…なにそれ。」
「……」
眉間に皺がよってる先輩。
…怒ってる。

