「…慧ぃ」
「芽魅ってマジ鈍くせぇよな」
「温かいねぇ…」
「はぁ?」
「慧ぃの、背中温かいね…」
「…芽魅?」
「…なのに…冷たいや…寒いよぉ…」
「……」
心が“寒いよ”って泣いてるの。
“温かくして!”って訴えてる。
…でも出来ない。
温めることが出来ないの。
「あれ、めぐ?」
…先輩の、声。
どうしていつも弱ってるときに来るの?
会いたいって思った時にどうして現れるの?
「せんぱ〜い〜?」
「うわっ、酔ってんの?」
「波留ー?なにしてんの?」
「明里」
…あぁ、また寒いよって言ってる。
春のようなポカポカする温かさが来ない。