――ガチャ…




「…慧、来てたんだ」



部屋を開けると、俺のベッドに横になってる慧の姿。




「…芽魅」

「……」

「芽魅泣いてた。」

「…そっか」

「波留、なにしたんだよ?」

「…慧」

「あ゛?」




慧はめぐが好きなんだな。

そう思った。

いつもめぐの事になると誰よりも感情的になる。

…分かりやすいなぁ。






「俺は…最低だ」

「…やめろよ」

「え?」

「芽魅が好きになった奴がんな弱々しい事言ってんなよ」

「…慧」

「明里を幸せにしろ。それが芽魅にとってもいいんじゃねぇの?」

「そう、だな…」

「ただ、芽魅と今まで通り出来ると思うな」

「…っ」




めぐと今まで通り出来ると思うな…か。

それが1番胸にきた。

…ジーンとかじゃない。

氷の槍が刺さったみたいに、酷く冷たく痛い。

心が凍っていきそうだ。