「わぁ!母さん桜!」
「…そうね」
桜の季節が来る度に、
波留に出会ったあの日を思い出す。
「母さん?入学式遅れる」
「ごめんごめん」
「父さん怒ってるかもよ」
「そうね」
入学式のあの日を…。
「めぐ?…遅かったな」
「ちょっとね」
「そ。…お、永留1番かっけーじゃん」
「波留に似たんだね」
「…それ俺がカッコいいって言ってる?」
「へっ//!?」
「本当に…かわいすぎ」
桜があたしたちを引き合わせた。
桜の木があそこになきゃ、
あたしたちの運命は変わっていた。
少しでも時間がずれていたら。
天気が悪かったら。
沙梨について行ってたら、
あたしたちは巡り会わなかった。
「めぐ、今日寝かせないから」
「え!?」
「永留だってもう部屋で1人でいいだろ」
「ダメよ!!」
「…親バカなんだよ、めぐは」
あたしはね、
花の中で1番桜が好きなんだ。

