「ねぇ澄田」

「…ん」

「あたし大学デビューするかな」

「…ふーん?」



最近わかった。

澄田は芽魅にも誰にも見せない意地悪な微笑みをあたしに見せる。

…あたし“だけ”。





「出来んの?…大学“デビュー”」




“デビュー”の所だけ強調して言う澄田。

…そうやってあたしを惑わすんだ。




「俺を好きなお前が?」

「…っ、意地悪」

「結構」

「…無理っ」

「ん。…それでヨシ」

「え?」

「教えねぇよ?」




そう妖艶に笑う澄田。

この笑顔はあたししか知らないんだ。

そう思うと体が熱くなる。