「柊ー」
「柊先輩!」
「めぐ先輩」
「え、な、なに?」
押し寄せてくる後輩の群。
…あたしなんかしたぁ!?
「サインくださいっ」
「さ、サイン…?」
「はい!!」
なんでサインなの?
あたし有名人でもなんでもないよ?
これからなるとか言う予定もないし。
「めぐ、この学校は好きな先輩にサイン貰うのよ」
「え!?そうなの!?」
「波留だって書いてたじゃねぇか」
「…サインだったんだ」
でも女子だよ?あたし。
男の子じゃないよ?
「あたしっ、めぐ先輩みたいになりたいんです!」
「サインくださいっ」
…頭下げられたら断れないよねぇ。
「いいよ、貸して」
「ありがとうございます!!」
でも嬉しいなぁ。
あたしみたいになりたいと思ってくれる人が居て。
でもあたしなんかに似ても意味ないんじゃ…?
「いいの?あたしみたいなブサイクになっちゃうかもよ?」
「先輩をブサイクなんてありえませんから!!いたら目がおかしい証拠です」
「…う、うん?」
でもあたしに似たらかわいそうだなぁ。

