「正直、もうダメだと思った。」

「…めぐ」

「1ヶ月の間に新しい好きな人だって出来ても可笑しくないもん」

「…ある分けねぇじゃん」

「でも…1ヶ月苦しかった…!」





先輩はもう戻って来ないと思った。

あたしみたいな子供…嫌になったんじゃないかとか。

嫌な考えばっかり浮かんで消えてくれなかった。





「…差なんて…ないもん」

「…うん」

「差があるなら…あたしのが好きっ…」

「っめぐ…」

「…好きだもん…大好きなんだもん…」

「めぐ…ごめん」

「うぅ…!」




安心したからか涙が止まらない。

…差があるとするならあたしの方が思ってる。

でも、あたしは表したりするのが苦手だから…伝わらなかった。

もっと素直に、ならなくちゃいけない。





「めぐ…俺はめぐの事よくわかってなかったな」

「…っ、波留…?」

「でもさ、これからは何でも言い合っていこう」

「…うん!」

「不安な事も、嫌な事も、嬉しいことも、楽しい事も、さ」

「うん…波留大好きっ!」



そう言って芽魅は波留に抱きついた。


…先輩だぁ。


ゆっくりと背中に腕を回す波留。


…暖かい。

春みたいにポカポカ暖かい。

先輩の腕の中が1番安心するよ。