「あたしね、妊娠した」

「…え、えぇぇ!?」

「もう、めぐちゃん起きるじゃない!!」




…いや起きてほしいんですが。




「あ、硫の子だよ」

「産むの?」

「うん」

「じゃあなんで泣いてんの?」




産むならなんで泣く?

硫の子で、産めるのに…なんで悲しそうなんだ。




「硫に…言ってないの」

「……え」

「めぐちゃんにずっと相談してて…」

「…そっか」

「硫ね…バスケット選手になるために…頑張ってるの」

「…明里。わかったから言うな。」

「…波留」




“邪魔したくない”だろう。

でもそれは1番良くないこと。




「そうなるんなら最初からヤるなよ」

「…っ」

「腹の子にはなんの罪もねぇ。」

「…うん」

「硫にもちゃんと話せ。きっと喜ぶ」

「ありがとう!じゃあめぐちゃんまた明日来るね♪」

「…あ、はい」

「めぐーー!?」




後ろから声がしたのでびっくりした。