「はぁ…はぁ…!!」
やっと着いた…!
「すいません…柊芽魅の病室は!?」
「あっ…203号室ですね」
「どう行けば!?」
「3階に行ったらすぐわかると思います」
「ありがとう…ございます…!」
無我夢中で階段をかけ上る。
速く…速く…!!
めぐのもとへ!!
――ガラッ…
「は…ぁ…め…ぐ!」
「波留!!おせぇんだよ!」
「慧!!めぐは!?」
「まだ寝てるよ」
「…意識は…?」
「あるし、さっき一瞬だけど戻った」
「そ…うか…」
――よかった。
意識が戻った…。
今は寝ているだけか。
「痩せたな…」
「あんま食ってないからな」
「…え?」
「あんま寝てもねぇし」
寝てない…?
食べてない…?
「痩せたと思うのも無理はねぇし、やつれたのも事実」
「…めぐ…」
「過労、らしい」
「…過労、か…」
「側にいてやれよ。俺らはひとまず帰るからよ」
「…あぁ」
過労…だったのか。
食べないし寝てもないなら、倒れても無理はない。
こんなに…痩せて。
夏休み以来見るめぐはとても痩せてやつれてた。
「ん?…波留か」
「海星さん」
「わざわざ来たのか?」
「…いてもたってもいられなくて」
「ふーん、さすが彼氏だな」
「過労って…」
「まぁあんま食ってなかったしな」
「……」
海星が言うと本当みたいに聞こえてしまう。
半信半疑だったのが、全てが事実に。
「お前、めぐと距離置いてんだって?」
「…まぁ」
「好きじゃねぇの?」
「好きです」
「だよな。めぐだし」
…やっぱり海星さん。
シスコン入ってますよね。
「めぐならお前の事大好きだしさ」
「え…?」
「めぐって不器用だからさ。間違えられるけど、本当はすげーお前の事思ってるよ」
「…!」
3年も付き合ってるのに俺は…!
「あるんじゃね?…3年付き合ったからって全てがわかるわけじゃないだろ」
「…海星さん…」
「別に合ってる合ってないとか関係ねぇし。2人の関係が前よりもよくなるんなら…」
「よくなるんなら…?」
…その言葉の先は?
「出した結論は悪くなかったって事だろ」
「……!!」
「ま、頑張れよ!」
そういうと海星さんは病室を出ていった。
…海星さん。
やっぱりすげぇ人だよな。
すげぇ…カッコいい。
男の俺でも惚れてしまいそうだ。

