「１ヶ月…だ…」
「長かったわねー」
「…あぁ」
１ヶ月がこんなに長いなんて。
この１ヶ月一時もめぐを忘れた日はなかった。
９割がめぐ。…１割その他って感じ。
最初はめぐの声も聞けなくて、壊れてしまうかと思った。
だけど１ヶ月も耐えるとだんだんと冷静に考えられるようになった。
「さっそくでも電話したら？」
「今学校なんだよ」
「いいじゃん♪」
「よくねぇ」
迷惑じゃないか。
…いやそれよりも。
この１ヶ月で俺以外の男を好きになってたりして。
そんな事が怖くて電話するにもなんだか出来ない。
ダサすぎて笑える。
「てか暑ぅー」
「お前露出魔か！！」
「なによー？欲情したの？」
「…女か、お前は」
「失礼ね！胸あるでしょ！Ｃあるのよ、Ｃ！」
「恥ずかしいから黙れ」
…でけぇ声で“Ｃあるのよ”とか言うな。
みんなからの視線が痛いじゃないか。
“欲情したの？”とか聞くか？…普通。
女じゃないだろ。
…いや居たな。
沙梨ちゃんも平気で下ネタとか言える子だった。
――♪〜♪〜〜♪〜
「電話、波留じゃない？」
「…だな」
「めぐちゃーん！？」
「…いや、慧だ」
なんで慧？
しかも俺今、めぐだと期待した。
慧から電話来るのは珍しいな。
