「ち、なみに…明里さんって…」
「すんげー、可愛いぞ」
「や、やっぱり…」
波留先輩の彼女さんだもんね。
可愛くて当然だよ。
あたしみたいなブサイクが先輩に振り向いてもらえるはずなんかないんだし。
第一先輩があたしに話しかけてくれてた事がすごい奇跡に近いんだし。
「あんさー、芽魅」
「んっ?」
「さっきから心の中で話してるんだろうけどさ」
「…え?」
「声に出てるから」
「うそっ…!」
じゃあさっき言ってたのは、周りからしたら独り言に聞こえてたの?
最悪じゃん…変な人じゃん。
「芽魅」
「…なによぉ」
「芽魅だって可愛いと思うけど」
「えっ…//」
「明里にだって勝てると思う。」
「な、な、なに言ってるの!」
慧どうかしちゃったの?
頭打っちゃった?
それても風邪!?
「…熱はないみたい」
「当たり前だ」
慧のおでこに手を当てても全然熱くない。
…じゃあやっぱり頭打っちゃった?
「さっきからすげー失礼じゃねぇ?」
「…き、聞こえてた?」
「バッチリ」
「…ごめんなさい」
「まぁいい。嘘つけなくて素直なのが芽魅だろ」
「け、い…」
すごい今ジーンときた。
沙梨ちゃんと同じくらいあたしをわかってる人に出会っちゃった。

