「…はぁ」

「ため息しちゃダメなんだぞ」

「…悩んでるの」

「お前も悩むんだ」

「…当たり前でしょ!」

「…んで?聞いてやる」





ほら。

そうやって意味もなく優しくする。

そんな優しさが痛いの気づいてないでしょ?

……波留は。





「波留に言うほどあたしバカじゃないもん」

「はぁ!?どういう意味だ、バカ」

「どーせ後から散々ノロケ聞かされるんだし」

「聞いてくれたっていいだろー!」




…聞きたくないから嫌なんだってば。

あたしは波留を好きなんだよ?

出会った時から恋に落ちたの。

だけどあたしはね、波留の側に居たいからこの道を選んだ。

…バカだよね、あたし。





「波留ー、帰りマック奢って」

「あー仕方ねぇな」






もしもちゃんと友達としてなら、

あたしはこんなに苦しまずに済んだ。

…本物の友達なら。

この気持ちが消えてしまえばいいのに。

消えてしまえばいっそ楽なのに。





「めぐみー行くぞ!」





その笑顔があたしの心を捕らえて離さないんだ―……。