「芽魅、クレープ」
「…あ、ありがとう」
「…?」
「波留ー、たこ焼きは?」
「はい、これ。」
「ありがとう」
「めぐはクレープ…」
「…慧やっぱり食べて!なんか食欲ないや!ばてたかな!」
「…芽魅」
「なぁに慧」
…めぐ?
なんだかめぐの様子が変。
だけどめぐみはさっきより清々しい顔になってるし。
「なんでさっきから上向かねぇ?」
「ま、眩しいからだよ」
「…じゃあ俺が影になってやるから上向け」
「…やだっ。」
「なんで。ほら、眩しくねぇだろ?」
「…っ!」
「芽魅、言え」
「…やだぁ!」
泣き始めるめぐ。
な、なんだ?
よくわかんねぇ…だけどめぐを泣かせたくない。
「めぐ」
「いや!!来ないでっ、触んないで!!」
「…めぐ?」
…拒否られた?
え…俺なんかしたっけ?
「波留なんか…浮気者!大嫌いっ…!波留なんか嫌いだっ…!」
「芽魅!俺がなにしたって言うんだ!」
…何度も“嫌い”と言うめぐ。
まるで自分に言い聞かせて居るようだった。
「嫌いなの…っ!」
「なんでだよ!!」
「…あたしはっ!もう…苦しみたくないっ!!」
「何に苦しんでんだよ!」
「来ないで…!!近寄るなぁー!!」
「あぁそうかよ!!そんなに俺が嫌いかよ!!もう勝手にしたらいい!!」
「するから!!波留なんか嫌いだもん!!大っ嫌いなんだからね!!」
「…っ!」
めぐに“嫌い”と言われる度に胸がズキンと痛む。
…嫌いにならないで。
…俺から離れてかないで。
俺はめぐじゃないともうダメなんだ。

