「…わかんないや」

「ん?なんだ、芽魅」

「…んー、なんでもない!」

「…無理すんなよ」

「してたら慧が助けてくれるでしょ?」





…絶対的信頼が慧にはある。

なにがあっても慧なら来てくれる。

なにがあっても慧なら助けてくれる。

今までがそうだから。





「…さぁ?そん時の気分じゃね?」

「ふふっ♪」

「なーに笑ってんだよ」

「…なんでもなーい♪」




そう言いながらいつも助けてくれるでしょ?

あたし知ってるから。

慧がすごく優しい人だって。

意地悪だけど優しい。

慧は本当にそんな人。





「ちょっとーイチャつくのいいけどあたしの目の前はやめて」

「イチャついてない!」

「イチャついてねぇ」

「あーら声がピッタリ♪」




…たまたまだし。

そんな偶然よくあるもんね!




「浮き輪ぁー♪」

「芽魅って浮き輪ねぇとダメなの?」

「うん!あたし泳げないから」

「ダッセー」

「うるさいー!早く入りなよー!もしかしてカナヅチなの?」

「なわけあるか!俺は中学水泳部だったんだよ」

「…なによー」

「大丈夫だって。置いてかねぇから」

「…当たり前でしょ」





そうやって優しく笑うからモテるんだろうな。

慧はわかってないんだろうなー。

鈍チンだー!笑