「あれー!?」
「あっ、沙梨!波留と波留の友達のめぐみさん」
「…めぐと同じ名前」
「そー!運命感じちゃうよねー」
「全然。」
「…え?」
もう…。
今知り合った人にもそんなサバサバしないでよ!
沙梨のそういうとこあたしは好きだけど……。
「同じ名前の人なんて日本中探せばごまんといるでしょ」
「…そ、そうかな」
「当たり前。同姓同名で顔も性格も似てるなら運命かな」
「…基準高いね」
「めぐー海入ろっ♪」
「うん!!」
「あ。」
「…沙梨?」
「先輩狙ってんのモロバレ。あたしアンタ嫌い」
「…!!」
「さっ沙梨!!行こう!」
…今のはさすがにヤバイ。
慧も沙梨も2人してそんな毛嫌いしなくたって。
「沙梨ちゃん」
「…先輩、なに」
「いくら沙梨ちゃんでもめぐみを侮辱しないでくれ」
「……は?」
「めぐみは俺の大事な友達の1人なんだから」
「…あっそ。美しい友情ですこと。」
「…沙梨ちゃん」
「空気悪すぎてマジ死ぬ!」
「沙梨、行こうか!さー綺麗な海だぁ〜」
「芽魅、おつ」
「慧も手伝いなさいよ」
…あたしだけじゃ無理。
この空気悪すぎる。
でも…先輩は友達としてでも今めぐみさんを庇った。
友情?…男女の友情ね。
でも。
どちらか一方の想いが違ったら、友情なの?

