「ふんふふーん♪」

「めぐ!!」

「…波留!!」




後ろから聞こえた波留の声。

波留だぁ…。




「波留、なんで更衣室のとこに居るの」

「…あ、いや」

「着替え終わってるのに」



…もっと早く来てほしかったのに。

もう、なんで来ないの?




「ねぇ波留ー…」

「波留!!どう?この水着!」

「…えっ?」

「お前っ…」




…この声。

あたしがいつも電話で聞いてた。

いつも阻まれた…声。

あたしはこの声が好きじゃない。





「あれ?無反応ー!?」

「めぐみ!いい加減にしろ!」

「あたし?」

「あ、だから…」

「妹さん?あたしめぐみ!よろしくー!」




妹…?

周りから見たらそうなの?

そりゃ背も低いし…童顔だし…。

ってめぐみ!?





「あたしね、波留の彼女♪」

「……え」

「お前変な事言うなよ!めぐ、違うからな!」

「…めぐ?じゃああなたが彼女!?」

「…はい」




…なんかダメだ。

せっかく海に来たのに楽しめる気しない。

もう気持ちが乗らない。