「…芽魅、サンキュー」

「ふふっ♪」




あたしの横を過ぎるとき、頭をポンポンと撫でながら慧は去っていった。

…屋上、かな。

慧の行きそうな所はすぐわかってしまう。




「…めぐ」

「あっ、波留先輩ごめんなさいっ」

「いや?飯食お?」

「はいっ」




お昼ご飯は毎日と言っていいほど波留先輩と食べる。

桜の木の下で。

最近は桜が散り始めてきた。




「めぐの弁当うまそー」

「食べます?あたし先輩のパン食べたいし」

「おっ♪んじゃ交渉成立っつーことで」




あたしのお弁当を食べる波留先輩。

…美味しいかな?



「うめぇー!!」

「本当ですかっ!?よかったぁー」

「っ//!うまい」



よかった。

あたしが作ったお弁当だから不味かったらヤバイし。

きっと立ち直れない。




「めぐ」

「何ですか?」

「学校慣れた?」

「だいたいは」

「そっかぁー!」




あたしは先輩と食べるお昼ご飯が大好きだった。

この2週間で先輩とぐっと距離が縮まったと思った。

…でもそんなのはあたしの思い込みだった。