「…せん…」
「波留、でいい」
「は、る…」
あたしはやっぱり先輩が好き。
ひどいことされたって、
いくら不安になったって、
あたしはやっぱり先輩が好きで、大好きで…。
「めぐ…明日にはまた行かなきゃなんない…」
「…うん」
また先輩が行ってしまう。
先輩が側にいないと、あたしはあの日の事を思い出してしまう。
先輩が“行く”と決めた日を。
「めぐ……」
「波留、また今度会えるかな…」
「当たり前だろ!!」
「…ん。」
先輩の不安そうな声。
…あたしがそうさせてる。
先輩は…夢を叶える為に行ったんだっけ?
じゃあ応援しなきゃいけないんだよ。
…彼女なら当然だよね。
でもあたしは出来ない。
先輩が側に居ないのがすごく、嫌なんだ。

