やっと謎のイケメン変人から解放される……。そう思ったのに……。

「大変お待たせ致しました」

私は、謎のイケメン変人のご友人様らしき人から、お茶を渡される。

「後、もう一つ欲しい物があるんだ!」

「はい?何でしょうか?」

コーヒーかな。あ、でもお茶買ってるし。…肉まん?

とか、肉まんを取る準備をしようとしてたら。

「君が欲しい!」

またまた問題発言が聞こえる。

「合計120円になります」

私は、問題発言をガン無視しながら、会計を済ませる。


今日は、何なんだよ……。私に絡むのはヤメてほしいな……。謎のイケメン変人と、コイツは同レベルなのか?!

「無視だと?!よし、じゃあ、メリットを教えてやろう。もし、僕と君が結婚すれば、世界には平和が訪れ。やがて、戦争どころか、喧嘩が無くなる。そして…(以下略」

説明長っ?!聞かされてる私の身にも、なってほしい……。

「……………」

「………と、言うことだ!どうだ!返事は勿論YESだよな?恥ずかしがらず、本音を言ってもらいたい」

謎のイケメン変人のご友人様は、自信満々に二カッと笑う。

「NOです」

冷たく言い放つと、謎のイケメン変人のご友人様は、一瞬怯む。

「…………っ。そんな筈はない!YESの筈だ!」

「NOです」

私はニコニコっと、謎のイケメン変人のご友人様に、目が笑ってないように微笑んだ。

「そんな……」

謎のイケメン変人のご友人様は、俯く。流石にやり過ぎたなっと思い謝ろうとしたら…。

「あっ。ごめ…」

「そんなツンデレの君も愛してるぞ」

謎のイケメン変人のご友人様は、私の両手を包み込むように握りしめてきた。

「…………」

私には、苦笑いしかでなくて。

いい加減、営業スマイルも出てこなさそう……。

誰か……。私の全財産譲るから、私を助けて下さい……。

「ちょっと、アラタ!この人は、俺の大切な人なんだから手出さないで!」

「僕の大切な人でも、ある」

出来る事なら、レジの前で喧嘩はしてほしくない……。

「ねぇ……?」

レジの後ろに並んでたで、あろう高校生位の可愛い系の男の子が、申し訳無さそうに声を掛ける。
……いや、本当に可愛い……。

ふわふわっとして綿飴みたいな茶髪と、茶色の瞳。…頬は少し桃色で、唇は触れたら綿みたいに柔らかそう…。

……今日は、イケメンのお客様が多いな……。新記録かも……?

「よう!リイ!どうした?」

謎のイケメン変人2は、その可愛い男の子に話し掛ける。私は、少し黙りこくる。

「僕、チョコ買いたい…な?」

可愛い男の子は、可愛くニコッと微笑んだ。

……えぇぇえぇえぇ?!……この男の子も、この人達のご友人様ですか?!……でも、外見だけなら、類は友を呼ぶだね……。

「ごめんな。リイ。今、リンとこの人を賭けて戦ってるんだ」

「出来たら……」

可愛い男の子は、続ける。チョコを、口元に付けて、ニッコリ微笑む。

「僕も入れて欲しい…かな?」

「「はっ……?」」

謎のイケメン変人達の声が、重なる。

「僕も、この人欲しい…な?……それに…君と僕は、運命の糸で結ばれてる事を宣言したい…な?いや、させてもらおう…かな? 」

謎のイケメン変人のご友人様の手を振り払って、私に細くて赤い糸を渡してきた。

この男の子まで、何を言っているんだ?!頭おかしいのかな?!

しかも、赤い糸を自分の小指に付け始めた?!

「何を言ってるんだ!リイ!この人は、僕の物だと神様が告げてるんだぞ!」

「まず、精神病院に行く事をオススメしますよ?」

私は、仕事中という事を忘れて本性が爆発する。

もう、クビになろうが、変人共に脳内を侵されようがもうどうでもいい!!早く消えてくれ!!

「僕は、本気…だよ?」

「俺も…」

「僕もだ!」

「全員、お断りさせて、いただきます」

……今日の星座占いは、確か12位だったっけな?
『今日は、大変な1日です。外出は控えましょう』
ぅあっぁあ!!占いって当たるんだな!!

「可笑しいな……。今日の星座占いは、3位だったんだが」

「僕、1位…だよ?」

「俺、6位だったような…」

「私、12位です」

「「「えっ?!」」」

あ、ついつい雰囲気に流れて言ってしまった……。

「……………」

「き、気にする事無い…よ?」

「そ、そうだぞ!気にする事無いぞ!」

「う…うん、うん。リイとアラタの言う通りだよ」

3人の痛い慰めは、私の心に何故か突き刺さる。何か…変な感じがする…。