知景はアヤノの身体にキキがいることを知っていた。




それは、この世界の中で簡単には通用しない不思議な話。






それでも彼は、植物状態の彼女と夢のなかで逢った話を真剣に聞いてくれた。




信じてくれた。






そして、無謀な考えをたてる僕に協力してくれた。






きっと、知景が居なかったら……僕はあの家でキキと暮らしていくことなんてできなかっただろう。